2010-08-21から1日間の記事一覧

ラブ

軋轢だ。金属で固められた心は触れると耳障りな音がする。だから僕の心は剥き出しなのに君の心の盾は僕の血で染まっている。滴って、乾く間もなく僕はまた君に触れて、擦り切れた僕の心は君の足元でグロテスクに輝いているだけ。

ひとりじゃない

いたるところにあなたを見た。眼を覚ますと天井からおはようと言ってくれた。あなたの手をひねってドアを開けた。大きなあなたの足を履いて用を足した。冷蔵庫からあなたの髪を出して刻んで炒めて食べた。あなたはいつも笑っている。私はなんて幸せな女なん…

ずり、

網戸で摩り卸される夢を見ている。誰かが俺の頭を押さえつけて離さない。夢から醒めるために頬をつねろうとして、卸されているのは頬だと気付いた。痛みはあった。だから夢じゃないんだと自覚した時にはもう遅くて最期に見たのは頭を抑える俺の左手。