こおりこ

ぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼり

氷ばかり食べているから氷子と名づけた。もちろんこおりこと呼んでいる。
仕事で文章を綴っている。BGMは氷の砕ける音。
PC画面には未だ真っ白なワード。蕩けきった脳の俺は情報を情報のままアウトプットする。

『ぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼりぼり』

一行の擬音が刻まれた。氷子の声が聞こえる。

『溶けちゃうよ』

たった二行のワードを残して俺は席を外した。製氷機までの12歩、俺は氷子の姿を見なかった。