僕は死なない

遺書

母へ
今まで女手一つでここまで育ててくれて、本当に感謝しています。
家族の愛に育まれ、僕は大変幸せに、健康に成長することが出来ました。
今この瞬間でも、僕の心は幸せで溢れています。

何故死を決意したのか、あなたは僕に問うでしょうね。しかし、僕はそれに答えることができません。
自分自身でも、はっきりとした原因はわからないのです。
ただ、何故死ななければならないのかと疑問に思うのと同時に、何故僕が今生きているのか、毎日のように双方の問題について自問自答を繰り返してきたのです。

僕は、惰性で生きているに過ぎませんでした。

死ぬことは一般的に哀しいことです。
僕が死ぬことで哀しむ人が少なからずいることも、わかっています。
ですが僕はこの無意識な連続的行為をどこかで断ち切らなければ精神さえ壊れてしまうと思ったのです。

親不孝な僕を、いつまでも覚えていてください。
僕はあなたの心で、本当の生きる意味を探して生きます。

僕を殺さないで下さい。
それでは、また。