2010-09-29 漂う 一人昭和の香りが残るこの部屋で白熱電球を灯しながら眼を閉じる。部屋の四隅には光が届いていなくて、闇も光もいっしょくたの夜。呟く言葉に返事をするのはあやしつけるような優しい雨音で瞼の裏を眺めて意識がほどけるのを待つ。いつまでも独りの夜。